The Cocoonは、堅固なフレームに囲まれた、柔らかくて有機的な形をした繭である。この繭は犬の隠れ家である一方、人間のためのテーブルにもなる。つまり、空間でもあり物体でもある。このヨークシャテリアの家は「人間のための建築」のように、空間(空隙)と構造体で構成されている。私たちはこの繭を「住宅(HOUSE)」ではなく「家(HOME)」のように考えている。繭はミクロな環境における「巣」のようなものだ。周囲の細いフレームは、街と家の間にある庭のように、繭と人間の生活領域の緩衝体を担っている。繭がフレームに吊されて浮遊することは、犬の安心感にもつながっている。フレームの上にガラス板を置くとテーブルにもなり、犬の家と人間の家具が合わさった一つの作品となる。繭の構造はレーザーカットされた厚紙で構成され、柔らかな生地で包まれている。生地はフェルトやゴム、ニットなど、犬が安心する素材で制作可能だ。また、暖かい天気の時は生地を外し、厚紙の構造体のみでも使用できる。鉄製のフレームは簡易に組み立てられる。ギターのチューニング・ペグと鉄のワイヤーは、鋼鉄の要素に遊びを加えると共に、フレーム内の繭を安定させる引っ張り力を与えている。レイアウト次第で同じフレーム内に、1匹でも2匹でも犬を迎え入れることも可能だ。
Authors: Fernando Forte, Lourenço Gimenes and Rodrigo Marcondes Ferraz Team: Gabriel Mota, Carolina Magliari, Caio Armbrust, Giulia Lorenzi
1999年の設立以来、FGMFは建築と環境をつなぐ接点を探し求め、素材や技術にとらわれることなく、現代的な建築を生み出している。様々な規模や分野の建築の設計を経て、人間それぞれの一生のように、建築も多様であり動的であるべきという考え方で活動している。
Grid House(2005-2008) | Barreto House(2014-2017) | Mirante House(2012-2016)