この「雲」は、犬と一緒に旅をする建物である。個々のチワワの持つ独自の身体と気性を伝える第二の肌である。フワフワしたオーダーメイドの肌である「雲」は、チワワの動きや、スピードや、個性を、うねりの紋様に置き換えるのである。ペットと飼い主の仲介役であるひもは、犬の身体をつなぐかなめとして処理されている。この犬と人との接続部で、「雲」は、犬と人との関係性を肌の上に模様として変換させながら、引きと弛みをなぞっている。高慢なこの品種の特殊な要求に応えてデザインされた「雲」は、寒さよけの役目も果たすし、犬の骨の弱い部分---頭部(泉門)の柔らかい場所や目の近くの傷つきやすい面を含む---の保護役もする。「雲」のうねるようなたっぷりしたふくらみは、チワワの大好きな潜伏ごっこやかくれんぼにも対応する。更に言えば、「雲」は、チワワの身体の大きさについての予測を無効にするベールであり、本体より大きく見せるので、チワワという品種の高慢な個性にふさわしいものである。肌(雲)を通しての交流は、単に犬を大事に扱うというより、むしろ、飼い主や他の犬たちにチワワという品種との適切な交流の仕方を想起させる。さて、犬のサイズから目を離し、この品種の勇猛果敢さという際立つ特徴へと注意を向けてみると、「雲」は、不思議な神秘性をまとい始める;つまり、チワワの新たなる人工肌は、その精神を投影し始めるのである。DIY愛好者にとっては、「雲」の複雑な制作過程が、彼らのペットのために何か特別なものを作ってペットとの関係を強める機会となる。簡単にカスタマイズできる一式であるので、繊維の色や模様や飾りの選択作業を通して「雲」は、ペットと飼い主の両方のパーソナリティを表現するキャンバスの役割を果たすのである。

「Reiser +Umemoto RUR Architecture PC」は、国際的に認知度の高い分野横断的建築デザインの会社であり、手掛けるプロジェクトは家具デザインから、住居・商業用建造物、景観、都市計画やインフラ計画に至るまで広い範囲に及ぶ。我々は、一つ一つのプロジェクトが、現状の延長線上につらなるものと捉えて、建築と構造と景観との関係性を包括的に把握し、建築と地域と物流の関係の徹底的な調査を行いながら取り組んでいる。多岐に亘る様々な規模のプロジェクトに取り組むことによって、RUR Architecture PC社は、歴史を通してバラバラに引き離されている領域を統合・一体化する柔軟な戦略力と技術力を養ってきている。

Taipei Pop Music Center,Taiwan (completion 2015) | 0-14 Tower Dubai,UAE (2011) │ Kaohsiung Port Terminal,Taiwan (completion 2014)

SIZE W400 x D220 x H300
DIFFICULTY DIFFICULT
FAB. TIME 15 DAYS